Z世代のマーケットリサーチ
Z世代とは?
1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代で、2024年現在11歳~28歳前後の年齢層に当てはまる。デジタルネイティブ、SNSネイティブとも呼ばれるZ世代は、タイパ(タイムパフォーマンス)重視の効率主義、強い仲間志向、仕事よりプライベート重視、多様性を重んじるなど、従来の若者以上に特徴的な価値観を持っている
尚、2024年現在0〜12歳の年齢層に当てはまる世代は「α世代」と呼ばれている
全人口 | Z世代の人口 | Z世代の割合 | |
---|---|---|---|
日本(2022年) | 約1億2,000万人 | 約1,800万人 | 15% |
世界(2020年) | 約77億人 | 約24億人 | 32% |
世界に見るZ世代
Z世代は有望 社会を変える力
- 世界の12~27歳の約5人に4人が新興国に住んでいる
- ジャカルタやムンバイ、ナイロビなどでは高い経済成長と技術の普及を受けて、若年層は親世代よりはるかに豊かになっている
- 健康状態も良好で教育水準も高い
- スマホを所有していれば、情報を集めて活用する力が強く人脈も広い
- 米国では就業者数で今やベビーブーム世代に迫り、職場の中心で大いに活躍している。労働需要の強さが追い風になっている面もあるが、Z世代が賢明にもセールスポイントになるスキルを身につけていることが役立っている。理工・医学系を専攻する人が大多数であり、人文系の人気が低下している
- Z世代はすでに労働市場に変化を起こしている。この世代の労働者は交渉力が強く、自分たちもそれを自覚している
- Z世代は概して真面目だ。上の世代と比べて夜更かしや深酒、不特定多数との性交渉に浸ることが少ない。これにはマイナス面もある。人と面と向かって交流することや性交渉が少なく、孤独を訴えることが多い
消費行動
再販価値、Z世代の意識高く フリマアプリで把握容易に
Z世代は中古品の購入に抵抗感が薄れてきていて、売ったお金で欲しいモノを購入するために再販価値(リセールバリュー)を意識している
「中の人にDM」「待つより課金」 Z世代、4つのEC行動
- 企業やブランドが公式 Instagram や X といったアカウントを開設し、CMや公式ホームページ以外の媒体で情報発信をする姿が当たり前になっており、Z世代は公式アカウントに直接DM(ダイレクトメッセージ)で問い合わせのメッセージを送る
- Instagram でお気に入りの服を見つけたら、スクショして画像検索にかけて値段や質感のレビューを見て買う。欲しい服とか気になった服はすぐにスクショを撮る。何店舗も歩く必要がなく、サイトの中で全部探せてしまうのがいい
- ウエットなコミュニケーションではなく、ドライなコミュニケーションのほうが気持ちいいと感じる傾向にある
- マンガアプリで課金をしてしまうのは、(前の話を)読んだ直後にワクワク感を持ったまま次もすぐ読みたいため。「待つことがもったいない」と感じるZ世代の時間感覚が関係している。 購入前から購入後まで、気分をできるだけ上下することなく買い物を済ませたい
![](https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wraptas-prod/mariosakata/8b6c1e5a-60ae-4306-b1b1-457adbaa66ea/f9286bd8e3edbd0a4ca77e3a31c24b7a.avif)
聴けなくてもレコード買いたい Z世代の所有欲
スマホの画面をタップするだけで瞬時に音楽にアクセスできるようになったが、所有している感覚はなくなった。だからこそ、形のあるものが音を奏でる「希少な体験」を求めてレコードを買う![](https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wraptas-prod/mariosakata/e6a306fd-f712-4b0d-9299-3735fe26e3ce/83049a7fa6313a62baa9a328d2d4c71c.avif)
![](https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wraptas-prod/mariosakata/e6a306fd-f712-4b0d-9299-3735fe26e3ce/83049a7fa6313a62baa9a328d2d4c71c.avif)
働き方の意識
働くZ世代「頼れるのは自分」 市場価値向上に貪欲
Z世代は多感な時期にリーマン・ショックや東日本大震災を経験している。最近は新型コロナウイルス禍が起き、経済や社会の不安定さを目の当たりにした。芽生えたのは組織に身をすべて委ねることへの不安。目に見える実績や数字を追い求め、自分の市場価値の向上に貪欲である
バイト探しは「タイパ」ワーク いい時給より通いやすさ
- オンラインで授業が受けられるようになり、学生は『通勤時間が無駄』という考えが広がっている。通学が減った結果、交通費がもったいないとも考えている
- 働きたい時だけ働くといった点からの効率性も求める。「タイミー」などの隙間時間を使ったバイトを探せるサービスの登場・普及もこうした動きを後押ししている
![](https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wraptas-prod/mariosakata/b07477c5-618e-401c-9a23-bfa2e629e757/c2c3d995c9b773fecead76c95a35dc1d.avif)
娯楽
映画を早送りで観る人たち
- Z世代は手っ取り早く、短時間で「何かをモノにしたい」「何かのエキスパートになりたい」と思っている。オタクに憧れている
- オタクになりたいのではなく、拠り所になる好きなものが欲しい。好きなものや、打ち込めるものがないという状態を1秒でも早く脱したい
- 映画を見るときに、もし2時間くらいかけちゃったら面白さよりも「ああ、こんなに時間を使っちゃたんだ」みたいな後悔の方が大きくなる。だから倍速で見る
- 情報を知っているだけで話すことのできる相手が一気に多くなるから、コスパがいい。観たいよりも知りたい
タテ動画なぜ広まった? 短尺で流行を広く効率よく収集
- タテ型動画は自動的に再生が始まる仕組み。いま見ている動画が好みではなかった時はスワイプ、つまり画面に触れた状態のまま指を滑らせることで次の動画に一瞬で移る。見始めてから好みかどうかを瞬間的に判断して、次々再生される動画を見ていくスタイル。見るかどうかを事前に判断するの必要はなく、時間を無駄にしたくない
- スマートフォンでのネット利用が一般的になる前と今を比べると、個人が趣味などに自由に使える「可処分時間」は変わらない。はやりに敏感なZ世代を中心とした若年層は、なるべく短い時間で情報を得るタイムパフォーマンス(タイパ)を意識している
![](https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wraptas-prod/mariosakata/c7c46d24-384a-480d-ae70-e274d3335dea/264d29cdc6be78cac463e0d9ff4fde2c.avif)
アナログレコード、なぜいま人気? Z世代が良さ発見![](https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wraptas-prod/mariosakata/3ef1fa33-49d1-4d42-a77e-8d2364a18b23/d9da61e37c8ab4d8810564f822a2e47d.avif)
- レトロな感じとデジタルでは味わえない音、そしてインテリアとしての魅力がある
- ノイズはあるが、まろやかで温かみがある
- すべてがデジタルで手に入る世代だからこそ少し手間をかけて完成する体験としてのレコードに注目している
- 集めがいがあるので、価格は高めだけれど推し活アイテムとして売れている
- レコードカフェも出てきている
![](https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wraptas-prod/mariosakata/3ef1fa33-49d1-4d42-a77e-8d2364a18b23/d9da61e37c8ab4d8810564f822a2e47d.avif)
コミュニケーション
SNSアプリ「BeReal」にZ世代熱狂 リアル自撮りが流行
通知が来た時間にリアルが充実していることが最高のステータスとなるのだが、実際はそううまくはいかない。このゲーミフィケーションが公平性ともなり、Z世代の心をつかんでいる
Z世代「つながり」が合言葉 音声SNSや仮想空間で交流
- Z世代は「つながり」を求めてSNSを使っている。米コンサルティング会社のEYアメリカが実施したZ世代のSNS利用調査によると、回答者の8割が「家族や友人とのつながり」のために使っていた。情報収集のためは約4割、意見の拡散のためと答えたのは約2割にとどまった
- オンラインでの深い交流が多くなり、デジタル世界でも現実社会のような「気遣い」が必要になることもある。音声SNSの「Yay!」を利用するZ世代が気を使うのは「リアルよりむしろオンライン上の友人」。「ネットの友人関係はブロックボタン一つで終わってしまう。それが怖い
- SNSによって、Z世代の時間の使い方や人間関係も変わってきた。3Dアバターのソーシャルアプリ「ZEPETO(ゼペット)」で知り合った友人とバーチャル空間で待ち合わせ、自作アバターを使い、写真撮影や会話をして遊ぶ
- ZEPETO は18年のリリース以来、世界で約3億人が利用し、そのうち約8割がZ世代だ。観光地などをイメージしたバーチャル空間でアバターを使って交流する。旅行した気分を味わえて楽しい
令和なコトバ「マルハラ」 打たないで、SNSのマル怖い
令和なコトバ「マルハラ」 打たないで、SNSのマル怖い
- マルは「。」、つまり句点のこと。そして「ハラ」はハラスメントの略。主にLINEなどチャット系SNSで、最後にマルが付いているメッセージを受け取ると、若い世代は冷たさや、よそよそしさ、怖さなんかを感じる。オーバーに言うと「マルを使ったハラスメント」だとして、マルハラになった
- チャット系のSNSでは、話し言葉の最後に「マル」と言わないのと同じで、メッセージにマルを付けないのが普通。なのにあえてマルを付けることで、まじめか? で、かしこまったメッセージとなり、結果、冷たさや怖さを感じる若者がいる