はじめに

リッツ・カールトンにいつかは宿泊したいと思っています。きっかけは『リッツ・カールトンが大切にするサービスを超える瞬間』という本を読んで、この会社が持つ「感動を創造するためのシステム」に関心を持ったからです。いつかは実体験したい、と願ってチャンスを掴めず十数年。歳を経るに連れ、物事に対しての感動が薄れると良く聞くので、早めに行っておきたい。不愉快に思われた方、謝ります。

話を戻すと、リッツ・カールトンを一躍有名にしたのは、感動を生み出す従業員をエンバワーメントするための「クレド」です。人が増えると、個々人の価値観やモチベーションに多少なりともばらつきが生じるは当たり前のこと。方向性も見失いがちです。そこでこの会社が編み出したのが、クレド。クレドは会社の価値基準のようなモノで、その価値基準に見合った行動を取る人が増えることが効果として期待されています。

こちらがそのリッツ・カールトンのクレドです。カード形式にすることで、常に携帯してもらい、パッと振り返りやすくしたそうです。

Luxury Hotels & Resorts | The Ritz-Carlton

Experience The Ritz-Carlton luxury hotels and resorts that craft unforgettable travel experiences inthe world’s top destinations.

今では様々な企業がクレド、またはクレドに類似する価値基準または大切にしている信念を定めて公開している会社が増えているようです。

「我が信条(Our Credo)」にまつわるエピソード

社是、経営理念、ビジョン、ミッションなど、その会社を表す文書は何種類もありますが、ジョンソン・エンド・ジョンソンについて言えば、「我が信条」という、A4用紙一枚の文書があるのみです。この文書は顧客、社員、地域社会、そして、株主という四つのステークホルダー(利害関係者)に対する責任を具体的に明示したものです。起草以来60年以上に亘り、ジョンソン・エンド・ジョンソンの行動指南役として機能し続け、…

The JTBWay|JTBグループについて|会社情報|JTBグループサイト

地球を舞台に、人々の交流を創造し、平和で心豊かな社会の実現に貢献する 。 私たちは、地球を舞台に自然、文化、歴史とのふれあいや人々の交流を創造し、お客様に感動と喜び を提供します。 私たちは、お客様と共に歩んできた100年を大切にし、これからも「価値ある出会い」を創造し続けます。 「交流創造事業」 …

なぜ、クレドを作ろうと思ったのか?

知行を一致させるためです。きっかけは特にこれといってないのですが、新しいことにチャレンジする意欲が、30代後半を迎えて高まってきていることが背景にあると思います。物欲、知識欲、自己実現欲…これらの欲望大爆発の根底にある自身の思考と実行を棚卸ししたいと考え、アウトプットの形式としてクレドを選美ました。

準備期間は制作も含めて約3ヶ月。これから50〜60年も続く長い人生のお供となるため、緊張もありました。今じゃなくていいのでは、といいう迷いもありました。でも、その背中を押してくれたのは内田樹さんのこの言葉でした。

本当に必要なのは「心と直感」ではありません。「心と直感に従う勇気」なんです。なぜなら、ほとんどの人は自分の心と直感が「この方向に進め」と示唆しても、恐怖心で立ち止まってしまうからです。それを乗り越えるためには、「勇気」がいる。それは、怯えすに跳躍することです。

跳躍して作ったのが、これから紹介するクレドです。

クレドの「型」

とはいえ、何から始めればいいのかわかりませんでした。考える枠組みが必要だと考え、いろいろ調べてみたところ、以下の基本形に落ち着きました。

  1. 主文(変わらない価値観)
  2. 家族への約束(どんな時でもこれを心において接する)
  3. 自分で目指す「あり方」(宣言。何をする、ではなくどうありたいか)
  4. 人生と生活の3ステップ(具体的な行動を3つ。毎日できること)

一番難しかったのは(3)。「私は、ほげほげであることを誓います!」と選手宣誓のようなことは言えるはずもなく、一緒に考えてくれるパートナーが欲しいと思いました。それ以外は自問自答しながら言語化すればよかった。そこで協力をお願いしたいのが、友人でコーチングをしている岡部友理子さんでした。こんな変な相談でも、暖かく迎え入れてくれたので、とても感謝しています。初めてのコーチングセッションで、正直所々戸惑ったり詰まるところがありましたが、最後はかなり納得度が高かったです。興味がある方はぜひ、相談してみてはいかがでしょうか?

(1)と(4)は因果関係にあるため、セットで行いました。文章化するための工夫として、以下の設問に対する答えを列挙すると、輪郭が薄らと見えてきます:

  • 大切にしている言葉は何か?
  • 尊敬している人とその理由は何か?
  • 褒められることや叱られることは何か?
  • これまでにどのようなライフスタイルの変化があったか?
  • 幸せと感じる瞬間は何か?

1〜2日ほど寝かして、見直して、もう一度繰り返して。漬物のように、本当の漬物のように熟成させて、自分の旨味が表れたと感じるまでやりました。

クレドの最終形

自分はこういう人間である。これを受け止める準備ができたら、クレドをカード型に印刷しました。それは、鞄の中に常に入れて持ち歩くようにしています。

人生の4つコンセプト
(最初に入社した会社、楽天の三木谷社長に憧れて、真似したのがこちら)

  1. 永劫回帰: 時間は有限である。今でしか味わえない一瞬一瞬を大切にする。
  2. 不易流行: 流行こそが、実際は俳諧の不易の本質である。新しみを常に探求し続ける。
  3. 初志貫徹: 心に決めた志を最後まで貫き通し、選んだ道を正しくする努力をする。
  4. 花鳥風月: 何気ない出来事や風景、日常の感じ方を豊かにするために感性を磨く。

家族への約束
先にあの世に行くときに「いい夫・父親・祖父だった」と想ってもらえるようにします。

自分が目指すあり方
私は人々の迷いを気づかせ、導く自由な風になる。

人生・生活の3ステップ

  1. 今という時間を大切にし、心穏やかに自分らしく生きよ。
  2. 毎日、他の人と交流する時間を取るようにしてネットワークの構築と維持に努めよ。
  3. 専門性を確立したい領域について、探究を続けて刺激を受けよ。

これが、私のレゾンデートル。

10部も印刷したから、失くしても安心だろう。常に持ち歩くことで、心が少し穏やかになった気もするし、自信が持てるようになった気がします。

クレドの背景には、花言葉が魅力的なカサブランカやエンドウの花を飾りました。